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オヤヂのご近所仲間日記

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2015年 12月 06日

茨城遠征 初物3種との出会い

お誘い頂き、茨城の山間部へ訪問。今日は茨城のSさんのご案内で、千葉のSさんと3人で活動です。

例によって夜中に移動。霞ヶ浦の湖畔で明け方を待つ。
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Olympus E-M1+SAMYANG OPTICS 7.5F3.5 FISH EYE/MFT BLACK

まずは現在活動中のクロスジフユエダシャク。
近所でもホソミオツネントンボの林で飛んでいる昼間活動するフユシャクの一つ。

10時半近く着。先週は1,000頭単位で飛んでいたようですが、今日はかなり数が減っていて、オスはまばらな飛行。交尾態を求めて3人で暫く探したものの成果がなく、昼近くにようやく案内板の上部にいるメスを発見。

●クロスジフユエダシャク(♀)大きさは1cm少し。これが単独で枯れ葉の上や木の幹にいてもまず見つからないでしょう。生き残るため冬に生殖活動という選択をし、メスは翅まで無くして産卵することのみに特化した進化の姿という感じです。オスとメスとの出会いはメスのフェロモンのみ。常に空気の流れのある環境で、微量かつ拡散してしまうフェロモンを求めて飛ぶ懸命なオス。健気な姿にも見えてしまいます。
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▽中間リング10mmを使用しての深度合成のテスト。問題なく使えることを確認。(風があり触角にブレ)
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Olympus E-M1+M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro

撮影後、幹などに登ってくる交尾態を探したものの、残念ながら見つけられません。クロスジフユエダシャクは来週では恐らく滅してしまう時期なので、交尾態は次のシーズンに持ち越しの可能性。シーズン間際、まずは初のメスとの出会いは嬉しい。

●蛾で成長した冬虫夏草の一種 今日の撮影目的のヤンマタケと同様のもの。蛾が生きている間に感染し、徐々に繁殖し、幹に張り付いた形で死滅させています。一気に繁殖してしまうと、地面に落ちて死滅することもありますが、こうして幹など高い所に留まらせて死滅させることは、胞子拡散には有利になるのではないかと勝手に想像。(昨年ショウリョウバッタについた糸状菌での死滅姿を撮影。こちらも草の上部にしがみつけているかのように死滅)
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Olympus E-M1+M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro

●次の目的のムカシヤンマのヤゴの生息地へ移動。
この春先に成虫は撮影していましたが、幼虫は初。水中ではなく、苔の生えている岩場に穴を開けて生活するという変わった生態の陸生のヤゴで、一度その姿を見てみたかったもの。

生息場所はほぼ垂直に近い、常時水が滴り落ちる岩場。苔が一面に生えていて沢山の穴が開いており、それぞれが各個体のすみかになっています。
▽生息環境
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▽岩の割れ目にそって開けられた穴
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▽ヤゴ 自分の穴に近づく昆虫や蜘蛛などを捕食。自分から動かず、また捕獲率も100%ではないでしょうから、栄養状態は極端に良くない様に思えます(場合によっては共食いをしているかもしれません)。また苔のある生活場所の面積も限られるので、物理的に個体数も限られます。こちらも繁殖ということから考えるとこの選択は良くないように思えることばかりですが、それでも何か有利な事があるに違いありません。
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Olympus E-M1+M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro

複眼は同サイズのヤゴより遥かに小さいのですが、恐らく穴生活なので広く回りを見て外敵を察知する必要がないことと、目の前を通る餌のみ見れば良いので、それに特化しているものかと思います。
それにしても羽化した成虫の複眼は巨大なので、ヤゴから成虫になった際のそのギャップが大きすぎます。ヤゴ時代にはどのように畳み込まれている(?)のか不思議です。一度羽化する所を観察してみたいものです。

ハワイでも陸生のヤゴがいると読んだ事がありましたが、出会えてますます不思議な生態だと実感。

●近場で見つけて頂いていたヤンマタケ こちらも冬虫夏草の一種。
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Olympus E-M1+M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro

今回は初物3種が観察出来ました。お世話になりました。

by Nature_Oyaji | 2015-12-06 17:01 | トンボ | Comments(2)
Commented by Clearwater0606 at 2015-12-06 09:33
珍しい画像を拝見させて頂き、有り難うございます。ムカシヤンマの成虫は、当地でも見たことがあるのですが、ヤゴは初めてであります。こういう所にいるんですね。成虫も何となくゆったりした印象でしたが、幼虫もあまり活動的ではないんですね。

複眼のサイズの変化、確かに興味深いですね。
Commented by Nature_Oyaji at 2015-12-06 16:54
Clearwater0606さん
今回は初物3種類、一日に一気に観察できこの上なく楽しい日でした。
ムカシヤンマがこんな生活をしているというのは本などでしっていたものの、水中ではなく陸での生活とは、呼吸は? 餌の捕食は? 羽化はどんな感じなのか?と疑問だらけです。
来春の羽化の時期にはまたお連れ頂けそうなので、じっくり観察してみたいと思っています。


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