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オヤヂのご近所仲間日記

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2025年 09月 24日

カトリヤンマ 産卵後のクリーニング(@栃木県)

■長年目標だったカトリヤンマの産卵後のクリーニング撮影
トンボ撮影を始めた頃に入手した『里山のトンボ』(むさしの里山研究会・1999年刊)には、カトリヤンマが腹部を曲げて脚で産卵後のクリーニングをしている、ジャスピンかつ構図も素晴らしい写真が掲載されていた。
しかもそれが、現代のデジタル化された高性能カメラではなく、カメラの性能やフィルムの感度など、さまざまな制約のあるフィルムカメラによる撮影だったことに衝撃を受けた。

写真撮影は、先人の構図や光の使い方、タイミングを模倣することから始まるとも言われるが、この場面は真似できるものではないと半ば諦めかけていたが、それでも、いつかは自分でも撮りたいと思うようになった。
その後、何年もトライを続け試行錯誤の末、2017年10月にピントは甘かったものの、イメージしていた場面をようやく撮影することができた。

以降も産卵時期になると毎年撮影を続けていたが、なかなか撮影出来ないこともあり2017年の撮影以上の成果は出なかった。
ただ今季は時間が取れるようになったことに加え、昆虫認識機能のあるSONY α7CIIでのテスト撮影で手応えを感じ、改めて挑戦することにした。

カメラの撮影設定
これまでの昆虫認識を利用したAFテスト撮影の結果、以下の設定で行った。
・機材:SONY α7CII+FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS + HVL-F60RM
・ドライブモード:H+
・フォーカスモード:AF-C
・ISO感度:ISO-640
・f/5.6
・シャッター速度:1/1250
・フォーカスエリア:トラッキング・中央固定
・認証対象:昆虫
・α7CIIは親指がすぐ届くボタンにいわゆる「親指フォーカス」を設定

撮影手順
・飛び上がったらまずはホバリング中のカトリヤンマにMFでピントを合わせる
・合ったら「親指フォーカス」ボタンを押し、カメラ側にトンボを認識させピントを合わせる
・そのまま「親指フォーカス」ボタンを押しながらファインダー内からトンボが外れないよう注意しつつ、シャッターボタンに指を置き、「クリーニングしろ」と願う
・クリーニングが始まったらすかさずシャッターを押す
この設定で、カトリヤンマが産卵している草地を何度も行ったり来たりしながら、何度もトライしてみた。

クリーニング撮影-1
産卵撮影していたままでの1/200で撮影したため、タイミングは合っていたがブレブレの写真。
そういう所がまだまだ詰めが甘い。
カトリヤンマ 産卵後のクリーニング(@栃木県)_f0324026_23015731.jpg
SONY α7CII+FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
クリーニング撮影-2 背面からの撮影
カトリヤンマ 産卵後のクリーニング(@栃木県)_f0324026_23044134.jpg
カトリヤンマ 産卵後のクリーニング(@栃木県)_f0324026_23044051.jpg
SONY α7CII+FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
クリーニング撮影-3
枯れた草が少し被ってしまった。少し体を左に動かせばよかったが、頭の隅には動くと逃げてしまうとも思え、そのままシャッターを押した。
カトリヤンマ 産卵後のクリーニング(@栃木県)_f0324026_20105568.jpg
カトリヤンマ 産卵後のクリーニング(@栃木県)_f0324026_20105485.jpg
SONY α7CII+FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
クリーニング撮影-4
複眼にはピントがあっていないが、ようやくクリアに捉えることが出来た。
カトリヤンマ 産卵後のクリーニング(@栃木県)_f0324026_23060011.jpg
カトリヤンマ 産卵後のクリーニング(@栃木県)_f0324026_23060088.jpg
SONY α7CII+FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS

クリーニング撮影-5
開始から終わりまでの一連の写真をやっと撮影出来た。
カトリヤンマ 産卵後のクリーニング(@栃木県)_f0324026_23423484.jpg
Photohitoリンク
カトリヤンマ 産卵後のクリーニング(@栃木県)_f0324026_23424833.jpg
Photohitoリンク
カトリヤンマ 産卵後のクリーニング(@栃木県)_f0324026_23425407.jpg
SONY α7CII+FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
上の写真のトリミング。中脚には拭った泥がしっかり残っていた。
カトリヤンマ 産卵後のクリーニング(@栃木県)_f0324026_07021722.jpg
SONY α7CII+FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS

■今回のまとめ
●カトリヤンマのクリーニング
SONY α7CII+FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSの組み合わせで、カメラ自体のAFに助けられ、ようやく目標の撮影を達成した。
トライ開始から約10年での達成となった。

また多産地ゆえ、チャンスが多かったことも成功の要因で、ここ以外では(過去千葉でトライしていたが)個体数が少なく自分では撮影出来ないと思う。

●撮影時間
一連の撮影チャンスは、飛び上がってからシャッターを押すまで、ほんの10秒ほどで勝負が決まる。
繰り返し撮影していたこともあり、次第に体が覚え、スムーズに操作できるようになったのも、結果に結びついた気がする。

by Nature_Oyaji | 2025-09-24 16:53 | トンボ | Comments(0)


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